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特産品ができるまで

山の名品「栃餅」の作り方

更新日:2012年2月 1日

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ほろ苦さと香ばしさがたまらない山里の味、栃餅。

下北山村では昔から各家庭で栃餅作りが行われてきました。

しかし栃の実のアク抜きに大変手間がかかるため、

今では栃餅を作っているのはほんの数件しかありません。

毎週土曜日にきなり館で販売されますが、

瞬く間に売り切れてしまう幻の味。

その作り方をご紹介いたします。

【1】栃の実

まずは栃の実。

直径3センチくらいのコロンとしたこんな実です。

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一見栗のように見えますが、

このままでは苦くてとても食べられません。

しかし縄文時代から貴重なでんぷん・タンパク源として

ドングリなどと共に食されてきました。

飢饉のときには非常食となりますので、

昔から栃の木や栃林は勝手に切っては

いけないものとされてきました。

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前鬼のトチノキ林

「大峯奥駈道」の「前鬼」の奥に、

「前鬼のトチノキ巨樹群」が残されているのは

そういうわけなんです。

幹回り10m以上の巨木もあり、

「奈良県指定天然記念物」になっています

しかし昔の人はどうやってアク抜きをしていたのでしょうねえ。

焚火の灰と混ぜて縄文式土器に入れて煮たのかもしれませんが・・・。

ただ栃の実は「豊作の年」と「不作の年」があり、

下北山村では2008年が大豊作でした。

それ以降はあまりたくさん実がなっていません。

一説には夏が熱すぎると不作になるとも言われているのですが、

次の豊作がいつになるのかは分かりません。

栃の実は山の動物たちも食べると言われていますので、

時々しか豊作にならないのは栃の自衛手段なのでしょうが・・・。

では、栃餅の作り方をご紹介いたします。

【2】皮むき

まずは拾ってきた(あるいは買ってきた)栃の実を一週間水にひたします。

中に入っているかもしれない虫を殺すためです。

そのあとはザルに広げて天日で乾燥させます。

カラカラになったら何年でも保存することができるのです。

そして使う分だけ水で戻します。

まだ新しい「新トチ」ならば7~10日間、古い「ひねトチ」ならば15~20日間。

冬場は毎朝40度のお湯を注いでやります。

夏場はこの半分の日数で柔らかくなります。

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お手製の「皮むき器」

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さて、やわらかくなった栃の実を半分だけ当たるように「皮むき器」の上に置き、

「ムギュー」という感じで皮がむけます。

実は崩れても構いません。

【3】「あわせ灰」でアク抜き

さて気長に皮をむき終えたら、次は第一段目のアク抜きです。

栃の実のアク抜きには雑木の灰を使います。

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雑木林の紅葉

カシやケヤキ、ウメ・・・

中でもバベと呼ばれるウバメガシが一番良いのだそうです。

ウバメガシは備長炭にも使われる木質の固い木ですね。

昔は紀伊半島にはたくさん生育していたのですが、

今では中々手に入らないそうです。

雑木を家で燃やし、

その灰を一番目の細かいふるいでふるって

炭などを取り除きます。

(こうしておかないと、後で実とゴミをより分けるのが大変なのです)

このとき、うっかり草の灰が入らないよう気をつけます。

なぜなら草が混じるとアク抜きの力が弱くなってしまうからだそうです。

(昔はかまどの灰を、毎晩丁寧によりわけて保存していたそうです)

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一日灰の中に漬け込んだ栃の実

こうしてできた灰に熱湯を注ぎ、

その中に皮をむいた栃の実を漬け込みます。

三日三晩、あるいは四日四晩、

じっくりと灰の成分を浸透させます。

栃の実はこれで大分白くなってきます。

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奥地川の清流

そのあとはネットに入れて

川の流れの緩やかなところで3~4日さらします。

急流だとだめだそうです。

淵になっている場所でゆっくり灰が洗い落とされてゆくことによって、

アクも一緒に抜けるのだそうです。

栃の実を川から引き上げるときは

清流に棲む川エビや沢蟹が何匹もまとわりついているので、

それを丁寧に一匹一匹網から外して、川に逃がしてやるそうです。


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