特産品ができるまで
下北春まな栽培記 その1
更新日:2012年02月01日
【1】畝作り(2011/10/10)
苗を移植した直後の様子
まずは畑の畝をつくります。
土の中には既に「元肥(もとごえ)」と呼ばれる
「牛糞」と「鶏糞」、それに「有機肥料」が漉き込んであります。
そういった肥料は、最初に土に混ぜておけばそれでよく、
二度三度と肥料を与える必要がありません。
なぜかというと、これからどんどん寒くなるからです。
寒いので肥料がなかなか分解せず、
肥料の効き目もじわっとゆっくりになる。
それが「冬野菜」の良いところなんです。
畝作りのポイントは、畝の幅をずっと同じにして、
表面にデコボコを作らないこと。
これがやってみると結構むずかしい。
使っているのはレーキと呼ばれる熊手の一種ですね。
なぜそうする必要があるかといのは、種まきのときに分かりました!
【2】 種まき(2011/10/10)
簡単に種がまける種まき機
「手押し式種まき機」というのをはじめて見ました!
とっても合理的です。
ゴマ粒のような「下北春まな」の種を、
確実に土の中に埋めてゆけます。
どういう仕組みかというと、前輪のデコボコで土に穴を開け、
赤い本体の中に入っている種をベルトコンベアのようになっている
ベルト部分(赤い箱の中に入っています)で土の中に落としてゆきます。
最後にわざと重たくつくってある後輪の黒タイヤで土をならします。
「よっこらしょ」と腰をかがめなくても、この手押し車を畝の上
で押してゆくだけで簡単に種まきができる!
家庭菜園ではこのような器具は使わないので、みんな大喜びでした。
慣れるまでちょっとバランスを取るのが難しいだけ。
これは結構癖になる楽しさです。
ただ脱輪しやすいので、畝を平らに、
同じ幅で作らなければならないということだったんです!
【3】もみ殻まき(2011/10/10)
畑にびっしりと撒かれたもみ殻
種まきをした後は、畝にたっぷりと
もみ殻をまいてゆきます。
これをまいておくと、土が乾燥しすぎるのを
防ぐことができます。
冬将軍がやってきたときには
保温効果も発揮します。
それともうひとつ大事な役目があるんです。
かわいい双葉や若葉が出てきたとき、雨が降って葉が土についたり
雨による泥はねが葉っぱについたりすると、そこから土の中の菌が
葉っぱにうつり、病気にかかりやすくなるのだそうです。
でももみ殻が一面にまいてあると、それを防ぐことができます。
「下北春まな」は農薬や化学肥料使わずに作ろうと思っていますので、
結構気をつかって育てているのです!
もみ殻をまいたら、たっぷりと水をやります。
ここでまいた種は一か月後に、移植する予定なんです。
【4】不織布(2011/10/10)
不織布をフワリとかけてやります
種まき作業のラストは不織布(ふしょくふ)の
布団をかけること。 今年初めての試みです。
この不織布というのが優れもので、
ヒラヒラ飛んできて 卵を産み付ける虫たちを、
シャットアウトすることができます。
しかも雨を通すし、日光も90%通します。
風通しがあるので暑い日でも中が蒸れません。
結局「虫避け」だけでなく、湿度を保ったり、苗を保温したり、
強風から守ったり、鳥に食べられないようにしたりと、
一人で何役もこなしてくれるとっても優れたツール。
まあ、ちょっと値もはるのですが。
種まき一週間の畑
でもこの不織布のおかげで、9月に植えて
発芽した苗は、9月半ばの台風15号の豪雨に
あっても全く痛みませんでした。
ここまで世話をして、とりあえず種まき作業は終了です。
早く大きくなあれ!
【5】若葉のお世話(2011/10/10)
さて、「下北春まな」はすこしずつ時期をずらして
種まきをしています。
まずこちらは一週間前に種播きをした畑。
不織布の布団をめくってみると、もみ殻の間から
こんなかわいい双葉が芽生えていました。
「下北春まな」の双葉
この双葉のときに、ネキリムシ という蛾の幼虫がつくことがあるのです。
親の蛾が飛んできて、近くに卵を産むんですね。
畑の双葉をじっくりと見ていると、茎で切られて地面にポトリと
落ちている双葉があるのです。
その双葉の周りの地面を浅く掘ってみると、
たいてい小さな蛾の幼虫が丸まっています。
これをポイ!
双葉の間を掘ってます。 草取り&ネキリムシ探し。
この虫は葉は食べないで、茎だけ噛み切るのです。
茎から汁を吸っているのかもしれません。
でも放っておくと毎日一本ずつ双葉を
枯らしてゆくので、こまめに見ることが大切。
こうしていれば、後になって「虫が出た~!!!」と
慌てて殺虫剤をかけたりしなくて済むんです。
次に、双葉の周りにショボショボと生えてきた雑草を抜きます。
本当に小さな草なので、尖ったもので土を掻いてやるだけでOK。
「双葉」から「若葉」へ。 この時に「中耕」を行います。
これだけで草が掘り出されて乾燥し、
除草の効果が得られます。
「下北春まな」は除草剤も使わないので、
こんな工夫をしているのです。
あとは「三角ほう」という尖ったクワを使って、
畝の側面の草を掻いたり、
苗列の間の土を軽く起こしたりします。
これは「中耕(ちゅうこう)」という作業で、草取りであると同時に
土の中の穴を動かすことで、根に空気を入れる効果があるのだとか。
まあ、手塩にかけて育てるとは、こういうことなんですね!!!