特産品ができるまで
流木と一枚板の家具づくり
更新日:2012年02月01日
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あっと驚かされる流木のサイドテーブル
池原ダムで集めた流木や紀州産の原木から切り出された
一枚板などを使って家具を制作している木工作家が
1999年から下北山村に住んでいます。
村内のさらに「隠れ里」とも言える様な小さな集落にある
その木材工作所を訪ねてみました。
【1】乾かす
工場の前に並べられた
直径1m近くの大木
まず、工場の前に横たわる3本の大木にびっくり。
右側の2本は樹齢150年の杉です。
2011年9月の台風で倒れ、チップ工場に
搬入されたところを買い受けたらしい。
あやうく粉々の木材チップにされるところでしたが、
この大木、いずれ見事なテーブルとなることでしょう。
しかし木の中の水分が20%以下になるまで乾かさなければ
ならないので、製材後、自然乾燥させて木材として使えるように
なるまで2年はかかるそうです。
小さな椅子になる
端材の棚
テーブル用の板
工場の中には、あちらこちらに
このような乾燥中の板が並べてあります。
別の場所にある木材倉庫にも板がぎっしり!
乾燥中の板のほんの一部
加工するときの含水率は
15~16%がベストだそうです。
湿っているうちに加工すると、
乾く過程で反ってしまいます。
またカラカラに乾きすぎた木材は、
雨が降ったときに水分を吸収して
膨張してしまいます。
そうした木のゆがみを修正しながら、
やさしい手触りの家具を作ってゆくのです。
【削る】
耳付きのヒノキ
よく乾いたら、ヤスリで削ります。
こんな風に木の皮の部分、いわゆる「耳」を残して
板を削ります。
巨大なサンダー
工場の中にはこんな秘密兵器も。
大きな紙やすりが高速で回転するサンダーがありました。
これなら板もあっという間にツルツルになりますね。
【組み立てる】
アカマツのテレビ台
板を加工したら、次は鉄製の足を取り付けます。
やわらかい板と鉄の取り合わせがシンプル&ユニーク。
さらに鉄の足はネジで簡単に取り外しができるので、
送ったり引っ越したりするとき、コンパクトに持ち運び
できるという利点があるのです。
日差しが差し込む明るい工場
工場の一室に足を踏み入れると、
出荷を待つばかりの完成品がずらりと並んでいました。
流れるような木目が美しい
杉のテレビ台
節がアクセントになっています
ベランダにおきたいベンチ
両端が杉で、
真ん中が樅(モミ)です
ダイニングテーブルとベンチ
木目が濃い左側の長ベンチは
栂(トガ)でできています
杉の一枚板でできた
テーブル
美しい木目が料理を
ひきたててくれそうです
子どもたちが集う
スペースのために
こんな可愛い桧(ヒノキ)の
テーブルを作ったことも
明るく優しい赤松の絵本棚
子どもたちの歓声が
聞こえてきそう!