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「明神池」の七不思議

更新日:2010年07月15日

【明神池の七不思議】

ここでは昔から語り継がれ、

また現代でも目撃されている

「明神池」にまつわる様々な「不思議」を

ご紹介いたします。

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(秋の「明神池」。夜には星が池に映り込みます)

<七つの不思議>

1 入る谷無し 出る川無しなのに決して涸れず、

水位がひとりでに上昇することがある。

2 神社の前の道も聖域である。

3 池に石を投げると雷雨になる。

4 を殺(あや)めると死ぬ。

5 御神木を伐ると祟りがある。

6 吉兆の「浮木様(うきさま)」が現れる。

7 池の水神(すいじん)「白龍(はくりゅう)」が立ち登る。

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2011年9月4日 台風12号に伴う豪雨で

床上浸水した「池神社」拝殿)

【1】 入る谷無し 出る沢無しなのに決して涸れず、

ひとりでに水位が上昇することがある。

周囲を小高い峰に囲まれた「明神池」は、

注ぎ込む谷も出てゆく川もありません。

しかし常に満々と水をたたえ、

どんな日照りのときでも、

池が干上がったことは一度も無いということです。

ところが明治時代、池の水がひとりでに溢れ出して

ついには拝殿の階段に到達したことがありました。

村人は「悪いことの前触れ」もしくは「神の怒り」ではないかと

ひどく恐れたそうです。

また昭和50年(1975年)にも、

大した雨も降らないのにどんどん水位が上がり、

拝殿まで水があふれたことがありました。

そのときは

大学の先生に調べてもらいましたが、

やはり原因不明であったとのこと。

ただその調査の際、

池の深さは場所によって1.5m~7mと様々で、

湖底は起伏に富んだ

かなり複雑な地形であることが分かったそうです。

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2011年9月4日 台風12号通過直後の様子。

鳥居の下に狛犬がちょっとだけ頭を出しています)

連続雨量700mmを記録した2004年の台風16号のときは

池の水があふれてガードレールの高さになりました。

一方、紀伊半島南部に大きな被害をもたらした

2011年9月の台風12号では、

下北山村には1400mmを超える雨が降りました。

そのため水位は1.6mを超え、

拝殿も床上15センチまで水に浸かりました。

赤い鳥居が池に浮かび、まるで宮島の

厳島神社を彷彿とさせます。

(現在、「池神社」の御祭神は宮島と同じ

「市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)」です)

普段は草が生い茂っている杉林の間を、

大喜びでが泳ぎ回っていました。

まあ、現在は隣の「池の平ゴルフ場」から水が流れてくるため

ある程度増水するのはやむを得ないとしても、

拝殿が床上浸水するのは

神社始まって以来のことであり、

尋常のことではないのは確かです。

一体全体、何の「兆(きざ)し」 なのでしょうか。

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(対岸から眺めた池神社)

【2】 神社の前の道も聖域である

現在、「池神社」の拝殿と「明神池」の間には

国道425号線が通っております。

しかしここで不敬なことをしたり、

この道を通って遺体を運んだりすると、

よくないことが起こると言われておりました。

それで村人は、

昔は葬儀の「野辺送り」の際は棺(ひつぎ)を車から降ろし、

神社とは反対側の湖畔の道を人力で運んだということです。

なぜこのようなことをしたのでしょう。

実は昔は、現在の拝殿のすぐ近くまで池が広がっており、

赤い鳥居は水に浸かっていたと言われているからなのです。

すなわち池と鳥居の間の道路は

かつての「神社の境内」、あるいは「御神体」の上に

作られたも同然だということ。

車で通過するときでも敬虔な気持ちで、

軽く一礼してお通りください。

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(古木の生い茂る「明神池」)

【3】 池に石を投げると雷雨になる

池に石や木を投げたり、

池の水を汚したりトイレをしたりすると、

晴天であってもたちどころに大雨が降ると言われています。

あるとき池の横を通りかかった旅人が

「自分は氏子ではないから大丈夫」と思って石を投げたところ、

突然雷が鳴り響き、

バケツをひっくり返したような豪雨と強風が吹き荒れて

全身ずぶ濡れ。

ひどい目に遭ったということです。

またこのような話もあります。

「池に船釘を投げ込むと龍が現れる」と聞いたある男性が、

船釘およそ4キロを持ってきて池に投げ入れました。

するとにわかに空がかき曇り、

谷じゅうに雷鳴が響き渡ると同時に水面が波立って、

池から巨大な龍が天に上がったというのです。

男性は恐怖と驚きで気を失い、

その場に倒れ込んでしまったそうです。

たとえ突然の雨にならなくても、

石を投げるとその後で

転んだり怪我をしたりするなど

良くないことが起こると言われています。

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【4】 鯉や亀を殺(あや)めると死ぬ

「明神池」は池そのものが御神体であるため、

釣り糸を垂れることもを浮かべることも、

またを踏み入れることもしてはならないとされてきました。

ところがある男性が

「明神池」を釣ったことを、

床屋で自慢げに話しました。

すると急に祟りが出て病気になってしまいました。

どこの医者に行っても治りません。

占い師に尋ねると「明神池の魚を釣ったからだ」と言われました。

そこで神社に謝りにきたところ、

病気は嘘のように治ったそうです。

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(「奥地川」の紅葉)

現代でも池のを捕って刺身にして食べた人がいますが、

その人は翌日、石を運ぶ作業をしているときに重機が倒れ、

即死してしまいました。

また池神社で

ある男性が弁当を食べていると、

弁当の匂いを嗅ぎつけたのか

池からがノコノコと岸に上がってきました。

ところがその男性はにおすそ分けをするどころか、

を捕まえて足を紐でしばった挙句、

木の枝に吊り下げてそのまま家に帰ってしまったのです!

その人は翌日、山道を走っているときに車ごと転落し、

あっけなく亡くなってしまいました。

「明神池」には現在、

密かに放流された「ブラックバス」なども生息しておりますが、

「キャッチ&リリース」であっても「池の魚」を傷つけることになります。

釣りは絶対になさらないでください。

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(「奥地川」の岸壁)

【5】 ご神木を伐ると祟りがある

神域の木を伐(き)ると、伐った者はその場で気を失って

「100年の眠り」につくとも言われています。

また神社の草木を切ったり採ったりすると、

怪我をするなどの天罰があると言われています。

「明神池」を一周する遊歩道でも、池側の木は

一切伐ってはならないと言われているため、

池に倒れた木も全てそのままにしてあります。

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(真冬の「池神社」)

「池神社」御神木は神社の北20mほどの位置に立っていた

直径3m以上ある大木で、

「矢立の杉」と呼ばれていたそうです。

それが大阪城の建材にするため、

秀吉の命令で伐採されることになりました。

もちろん村人は畏れて誰も伐ろうとはいたしません。

しかし秀吉の落とし胤(だね)と言われる

「神をも恐れぬ」兄弟がこの地を訪れ、

御神木を伐ろうと言い出しました。

ところが斧を入れる度に刃がこぼれてしまいます。

兄弟は斧を研ぎながらほんの少しだけ木に切れ込みを入れました。

ところが翌朝、その切り屑がすべて木に戻っていたのです。

兄弟は同じように斧を研ぎながら木を削り続けましたが、

その翌朝も同じ現象が起こって

木は元通りになっていました。

そこでその兄弟は、

削った木屑を夕方に焼いてしまうことにしました。

これではさすがの御神木も、

切り傷を元に戻すことができません。

二人の荒くれ者によって、

とうとう伐り倒されてしまったのです。

ただし「明神池」の怒りは、その後別の形で現れました。

「浮木様」の項目をご覧ください。

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(湖畔のお社)

ちなみにこの兄弟はその後、「明神池」の水を

「池原」の集落へ流そうと思い立ちました。

そこで池の周りの木を伐り始めたところ、

突然池の中央が波立ってきて二人はその場で気絶。

目が覚めたときには手にした斧の柄が腐っており、

着物もドロドロ、顔は髭だらけ。

驚いて村に下りると、

「三年」の月日が経過していました。

さすがにこれには懲りて、

以後は無茶をしなくなったということです。

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(秋祭りの「池神社」)

【6】吉兆の「浮木様」が現れる

池には長さ4mほどの太い古木が、

長年浮いたり沈んだりしていると言われています。

木の上には苔や草が生えていますが、

これは「池神社」御神木だった「矢立の杉」の一部で、

「浮木様(うきさま)」と呼ばれています。

普段は見ることができない「浮木様」が現れるのは

いなる「吉兆」とされていて、

世の中にめでたいことが起こったときは

池の中をグルグル回ったそう。

また、その「浮木様」の上にが1~5匹ほど乗っていることもあり、

これは神様が遊びに出られたものと考えられてきました。

そもそも「浮木様」大阪城の建材にするために切り倒された

御神木の梢の部分である「末木(うらき)」ですから、

大阪城に異変や不幸があるときは必ず現れたらしく、

「大阪夏の陣」大阪城が炎上したときなどは、

「浮木様」は七日七晩

池を回り続けたと言われています。

神をも畏れぬ秀吉の行いを、

「明神池」の神様は

決して許さなかったということかもしれません。

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(毎年春と秋に咲く「寺垣内」の八重桜)

このほか「国家の一大事」が起こる前にも、

「浮木様」が姿を現すと言われています。

戦前においても何度か目撃されていますし、

最近では2011年6月25日の朝にお参りに来られた方が

伝説通りの完璧な「浮木様」に出会いました。

それは長さ4mほどの太い木で、

上には右手に青草が生い茂り

左手にが一匹乗っていたそうです。

湖畔に漂っている流木や周囲の倒木は

樹皮が剥がれて土色になっているか

腐って黒ずんでいるかのどちらかですが、

その木は上に草が生い茂っているにもかかわらず

真っ白で美しかったということです。

「国家の一大事」、もしくは「類まれな吉兆」と言われていますので

何が起こるか楽しみにしているのですが...。

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(秋の池神社)

【7】 池の水神(すいじん)「白龍」が立ち昇る

「明神池」のお膝元、「池峯」の集落に住む人の話です。

家族3人で「池神社」にお参りをしていたところ、

突然水面がザワザワし始め

池の中央から大きな「水柱(みずばしら)」が立ちました。

それはまるで「滝」を逆さにしたようなもので、

龍神 が池から飛び立たれた!」と思い、

3人で手を合わせたということです。

その不思議な「水柱」を見たことによって、

この世ならぬものが存在する。池には龍神が住んでいる」ということを

深く確信したとか。

れっきとした現代の話です。

別の村人によると、ある日「御神事」をしているとき、

いつもは静かな池がザワザワと波立ち始め

池のほとりの「餌やり場」にたむろしている何十匹もの

大慌てで蜘蛛の子を散らすように逃げてしまいました。

すると見る見るうちに池が泥で濁り、

池の半分が真っ赤に染まったのだとか。

やがて池の中央に、

「巨大な白蛇」のようなものが現れたそうです。

はっきりと肉眼で見えたらしい。

驚きで立ちすくみましたが、

大急ぎで拝殿に戻ってつい先程

お供えしたばかりの生卵をとってきて池に投げ入れたところ、

池は瞬く間に静かになったということです。

1995年の話です。

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(昇竜の夕暮れ)

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